第7回GPAJ難民危機研究会『NPOを永続的に運営するのに必要な注意点』(30/09/2022)

 多くの日本への難民をサポートするには「行政に認証された」「NPO法人」の設立が望ましいと思います。勿論、NPO法人に比較して設立が容易な会社組織を設立することも可能です。しかし、会社組織は出資者に対して利益の一部を返すことを前提にした組織形態故に難民を助けることを目的とする組織には色々な観点で不向きだと感じます。

 ただ、NPO法人の設立・運営に関しては多くの誤解が存在します。私は2000年にコンピュータのOpen Source Software (OSS)を扱う技術者の技術力を認定をする特定非営利活動法人(NPO法人)LPI-Japanを設立しました。そして多くのボランティア、パートナー企業、提携教育機関などの協力を得ることにより、LPI-JapanをOSS技術者の認定団体としては世界最大の認定試験の受験者数と認定者数を有する団体にすることが出来ました。多くの人が利用するWindowsは素晴らしいオペレーティングシステム(OS)です。ただ、Windowsは中の仕組みが公開されていないClosed Source Softwareであり、我々が学べるのはWindowsの使用法のみです。Windowsは我々の生産性を高めてくれはしましたが、ただ単にWindowsの使用法を理解しただけで一流のIT技術者になったような風潮を生み出した側面があります。

 一方、Open Source のOSであるLinuxはその中身が全てインターネット上でオープンにされています。従って、Linuxはその使用目的に合わせて中身を修正・改善することが出来るOSです。そして、修正・改善したLinuxを無償で再配布することも自由に出来ます。その結果、現在我々が利用する銀行、証券取引所、携帯電話の通信企業、インターネット関連企業等の基幹ITシステムはほぼ全てと言ってよいほどLinuxが使用されるようになりました。LPI-Japanはこのような企業のITシステムの構築・運用・保守をする技術者の育成に大きく貢献することが出来、私はLPI-Japanの設立者として冥利に尽きます。

 そして、上記のNPO法人の運営で私が学んだことを皆様に説明することで難民を助けるNPO法人の設立や既存のNPO法人の運営に役立てて頂ければと思い、今回難民危機研究会で話をさせて頂いた次第です。



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