水野孝昭教授 ―最優秀賞を授かる (02/12/2017)

 日本国際平和構築協会の第1回研究発表会で、東京大学大学院生による審査の結果、神田外語大学教授の水野孝昭氏が研究発表論文の内容とプレゼン方法が最優秀と評価された。


 水野教授は、紛争後や紛争社会では、戦争や戦闘に関わってきた人たちが、それまで憎悪の対象であった「敵」と同じ地域の一員として共存していかなければいけない、その条件つくりにメディアが決定的な役割を果たす、と説いた。要旨は以下の通り。


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 「殺し合いをやめる」という停戦合意から、共存することが互いに利益になることを確信させる「利益の共有」の段階を経て、同じ共同体の一員として相手の存在を認めあう「価値の共有」に到達して初めて平和構築のプロセスは完結したといえる。その過程でメディアは、良い面でも悪い面でも決定的な役割を果たす。ルワンダの例のように憎悪をあおるプロパガンダの媒体となれば民族対立や虐殺の引き金となりうる。一方、和平プロセスや自由選挙の意義、「平和の配当」の内容を人々に伝えることで国家共同体(nation)としての一体感や「世論」を作り出すこともできる。メディアは「もろ刃の剣」なのだ。

 そのことは、「紛争地域の遅れた地元メディア」だけでなく、日本を含めた先進国の巨大マスコミでも同じである。戦後70余年を経てもなお達成できない「東アジアの戦後和解」について、メディアの果たしてきた役割を「憎悪のメディア、共感のメディア」という図式で考えていきたい。

 その例として慰安婦問題について、過去の新聞報道を検証することで、同じ問題を報道するメディアの姿勢や記事の扱いが、その時々の政治情勢とともにどう変遷してきたかを報告した。

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