先週JICA市ヶ谷会議場で開かれた東京平和構築フォーラムで明石康元国連事務次長が開催の辞を述べられる (08/12/2018)

 カンボジアそして旧ユーゴスラビアで国連事務総長特別代表を務めた明石康氏は、国連創設後の70年間にわたっての国連の平和活動が、中近東、アジア、アフリカでどのように展開してきたかを顧みた。そして日本が今後いかにして世界平和の達成に貢献していけるか熟慮する必要性を説いた。


 国際連合が初の国際連合平和維持活動を目的として第一次中東戦争の停戦監視を目的として1948年5月に安全保障理事会が国連休戦監視機構(UNTSO)を創設して以来、東西の冷戦中には、国連が紛争当事者の間に立って,停戦や軍の撤退の監視等を行うことにより事態の沈静化や紛争の再発防止を図り紛争当事者による対話を通じた紛争解決を支援することを目的とした活動であることに言及した。国連緊急軍(UNEF),国連インド・パキスタン軍事監視機構(UNMOGIP),国連キプロス平和維持部隊(UNFICYP),国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)は,こうした目的のために設立されてから数十年後の今でも活動を続けているものがある。冷戦後には、カンボジア、モザンビーク、ナミビアなどで、紛争解決後の統治形態を助成して成果をあげてきた。一方、ソマリア、ルワンダ、旧ユーゴスラビアなどで、国連が挫折感をいだいた局面もあった。そして2000年にはブラヒミ報告書で国連の平和維持活動を再建する試みがなされたことは有意義であった。その成果が東ティモールなどで現れたとも言える。新たな世紀に入って国連の平和活動は統合し拡大されてきた。

 第3代あるいは第4代世代の平和活動とも呼ばれる、ロバスト(robust)と呼ばれる強力な活動をアフリカの数か国で展開し戦闘行為にも従事するようになってきた。そのうちの一つの国である南スーダンでは5年間にわたり活動してきた日本の自衛隊は2017年に撤収したが、国連は引き続き平和活動に従事している。


 先月日本を訪問したジャン=ピエール・ラクロワ(Jean-Pierre Lacroix) 平和維持活動担当事務次長は、現在の国連の平和維持活動は柔軟に展開(flexible and evolving)していくとしていると述べた。米国が関与を低め後退していくになか、中国は国連平和維持活動への参与を拡大し、大国の責任感を示している。日本は国連の平和活動への自衛隊の参加も国連平和維持活動の司令部のみにとどまり、派遣要員の数では100位以下にとどまっているのが現実である。今日は内閣府の岩井文男国際平和協力本部事務局長が基調講演をするので、日本が今後どのように国連の平和活動に貢献していけるか、参加者が忌憚のない意見交換をすることを願っている。

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