サム・レンシー氏(カンボジア救国党前代表、元財務大臣)、日本の支援を訴える (13/04/2018)

 急速に独裁化するカンボジアの状況に関して、中国の影響が深まる中で、米国と欧州諸国が離れていく状況で、日本が最後に頼りになる国であると訴えた。


 藤田幸久参議院議員の招待で日本を訪問中のカンボジア救国党元党首サム・レンシー氏が、カンボジアの政治情勢に関心を持っている市民に講演を行った。当協会の井上健氏が、この会議のモデレーターを務めた。


 サム・レンシー氏は、日本の市民の皆さんには厳しい政治状況下で頑張っているカンボジア市民を応援してほしいと訴えた。カンボジアは日本をはじめとする国際社会から多額の援助を受けてきたにもかかわらず、いまだに最貧国の一つであるが、これはカンボジアにおいては民主的ガバナンスが機能しておらず、ほとんどの政府機関が汚職にまみれているからであると述べ、このような状況を日本の納税者は許すべきではないとも訴えた。またカンボジアでは独裁政権がすべての権力を握っており、独裁者と結びついている大企業が広大な土地を農民から取り上げており、アジア開発銀行などによる大規模灌漑施設の建設プロジェクトはほとんどの農民の役に立っていない状況であるとも述べた。

 さらに3か月後に予定されている総選挙に関して次のように述べた。

 「これまでのカンボジアには、与党の人民党を野党の救国党の二大政党が存在し、曲がりなりにも民主的な選挙を実施してきた。しかし国会において55議席を有していた救国党は解党させられ、欧米諸国はこのような状況で実施される3か月後の総選挙への支援を打ち切っている。今や民主主義国家でカンボジア選挙支援を行っているのは日本だけであり、日本はカンボジア国民にとって、民主的な選挙を取り戻すための最後の希望であると言える。」

 当協会理事長の長谷川祐弘氏が、このような状況を打開するために国連を活用してみてはどうかと、東ティモールの独立運動におけるラモス=ホルタ氏の活動を例に挙げて質問した。これに対してサム・レンシー氏は、全く同感であり、国連政務局とは緊密な連絡を取っているが、一方でユニークな立場である日本からの支援も是非お願いしたいと答えた。

 またカンボジアと中国との関係についての質問に対して、中国からの支援は量的には大きいが質を無視しており、援助は金額だけではなく、それがどのようにカンボジア国民の役に立っているかという質が重要だが、中国からの援助にはその視点が欠けていると述べた。また、中国は米国に対抗するためにカンボジアを支援しているのであり、アセアン諸国を分断して二国間関係を通じて影響力を行使しようとしていると答えた。

 講演の最後に、サム・レンシー氏は、25年前にカンボジアの平和と民主主義のために命をささげた二人の日本人を思い起こすと述べ、彼らのためにも今こそ日本がカンボジアの民主主義のために協力してほしいと訴えた。

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